「ゼロ革命」SBI証券と楽天証券が日本株の売買手数料ゼロになる。背景と戦略を徹底解説!

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2023年8月31日、SBI証券と楽天証券の日本株式現物取引・信用取引の売買手数料をゼロにすると報じました。8/30に日経新聞が報じて次の日にSBI証券と楽天証券のプレスリリースで正式に発表されています。

SBI証券は2023年9月30日以降の取引から手数料がゼロになり、楽天証券は2023年10月1日にスタートする予定です。そもそも手数料のゼロ化は依然よりSBIグループの北尾会長が名言していたため、SBI証券が先陣をきりそれに劣後することを避けようとした楽天とみるのが自然でしょう。

目次

国内株式の無料化はどれだけお得になる?

みなさんが気にしているのは、無料化されたことでいったいどれだけお得になるのかということ。

どれだけお得になるのか比較してみましょう。

現物取引 スタンダードプラン

いずれも税込

約定代金SBI証券楽天証券auカブコム証券マネックス証券
スタンダードプランポイント超割コースポイント
5万円まで55 手数料の1.1%55円手数料の1%55円55円
10万円まで99 99円99円99円
20万円まで115 115円115円115円
50万円まで275 275円275円275円
100万円まで535 535円535円535円
150万円まで640 640円約定金額×0.099%(税込)+99円
【上限4,059円】
640円
3,000万円
まで
1,013 1,013円1,013円
3,000万円超1,070 1,070円1,070円
SBI証券 HP https://www.sbisec.co.jp/ETGate/?_ControlID=WPLETmgR001Control&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&burl=search_home&cat1=home&cat2=price&dir=price%2F&file=home_price.html&getFlg=on

SBI証券と楽天証券では差はなく、スタンダードプラン(SBI証券)、超割コース(楽天証券)では一度の取引で55円~1070円の手数料がかかることになりますが、無料化になるとこれがゼロということです。

これは一度の取引ですから、その日のうちに3度取引を行えば、手数料も3倍になるということになります。ちなみに、au株コム証券とマネックス証券の手数料は今のところ継続されると思われます。

一度の取引のみで考えると対したことはないかもしれませんが、「ちりも積もれば」ということで、毎日1注文したと仮定すると、年間365日で最大39万円程度の手数料負担が生じるわけです。

SBI証券と楽天証券の戦略と対応

今回、発表された国内株式手数料の無料化によって、SBI証券と楽天証券の戦略と対応を解説します。まず、SBI証券が2023年3月に発表した決算説明資料の内容ですが、収益比率のうちSBI証券は委託手数料が22.5%、楽天証券は29.7%を占めています。このうちすべてが国内株式の委託手数料ではないと思われますが、相当の比率を占めているだろうと思われます。SBI証券の2023年3月期の営業利益は621億円であるため、おそらく200億円~300億円程度の売上利益が減少するであろうと思われます。楽天証券の決算発表資料からは、委託手数料が約297億であるため、SBI証券と同等程度の利益の減少ということになりそうですね。

ここからはさらに推測となりますが。SBI証券は金融収益、引受・募集、トレーディング等の収益構造がしっかりとできており、すでにインターネット証券の枠組みを超えて大手総合証券会社の仲間入りとなっているため、おそらく回収の算段はついているのでしょう。それに対して、楽天証券は総合証券会社というよりも、あくまで楽天経済圏との相乗効果を期待した証券業というイメージがあります。さらに、楽天モバイルの業績悪化があるため利益をださなければいけないのはむしろ楽天証券であるといえるでしょう。楽天証券はSBI証券に顧客が流れてしまうのを防止するための苦肉の策だったのかもしれませんね。

つまり、SBI証券がこの手の戦略は有利だといえるでしょう。

これからの証券会社の手数料事情

従来の証券ビジネスは、売買手数料で売上をあげていくモデルが主流だったのですが、数年前よりストックビジネスへの移行行われてきました。 ストックビジネスとはなにか。 それがなぜ今まで進められてこなかったのか。

まず、証券会社のイメージは投資経験が長ければ長い人ほどいいものではないでしょう。それは証券会社のビジネスが取引による手数料収入であったこと、手数料をあげた営業マンが評価される体制にあります。つまり、顧客の利益に関わらず、取引を多く行い取引手数料を稼いでいたということです。顧客からすると、損をしていても売られる。売らなければもっと履歴が出そうなのに売りの提案をされるというのが当たり前の世界です。もちろん、それと同時に買いの提案も行われます。そういった営業体制に金融庁からメスがはいったのはもう数年以上も前ですが、少なくともまだその影は完全に消えているとは言えないでしょう。

これからの証券ビジネスのはどうなっていくのか。 それは「取引手数料」ではなく「管理手数料」で利益を生み出す方法に進むでしょう。例えば、私たち投資家が投資信託を購入する場合、買付時に発生する取引手数料と毎日実は発生している信託報酬というものがあります。この信託報酬で稼ぐということです。

信託報酬がわからない方のために簡単に解説します。実は投資信託を買付した後にも皆さんは費用を支払っています。直接お金を出して支払いをしているわけでなく、投資信託の基準価額から差し引かれているため支払っている感覚はないでしょう。大体の投資信託は年率0.8%~1.5%に設定されていることが多く、毎日少しずつ基準価額から徴収されています。購入する際の説明事項に必ず記載されているため確認するようにしましょう。

話を戻しますが、証券会社はこの信託報酬のような管理手数料という形で利益の確保に動いています。信託報酬だけでなくほかにも様々な形の管理手数料がありますが、大体は保有している有価証券に対して管理をするための手数料を徴収しているケースが一般的です。

このビジネスモデルはアメリカではもう何年も前から進んでおり、日本もその後を辿ろうとしています。この動きは突発的なものでもなんでもなく、遅かれ早かれいずれ起こることでしたが、ついにインターネット証券トップ2が先陣をきることとなったのです。

あたなが選ぶべき証券会社

今回、ようやくインターネット証券のトップ2が国内株式の取引手数料を無料にする段階となりましたが、これに続く証券会社もでてくるでしょう。というよりも、これにつづかない証券会社は衰退していく一方となるでしょう。そこで、投資家であるあ私たちはどの証券会社を選ぶべきなのか。

特別な事情がなければ、SBI証券と楽天証券の2択でしょう。

昔と違い、投資に対する情報はインターネットの情報でほぼほぼ問題ありません。わざわざ証券マンに担当してもらわなくても投資のパフォーマンスはかわらないでしょう。すなわち、証券会社に取引手数料として支払う手数料は無駄ということになります。

SBI証券と楽天証券で迷っている方は以下より検討してみてください。

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